あなたは「平均寿命100歳時代」を安心して迎えられますか?

1. お金に不安のない老後を準備できますか?

「老後は不安なく暮らしたい」
誰もが持っている想いです。
ゆったりと落ち着いた気持ちで、好きなように自分の時間が使えるようになりたいものです。

そこで避けて通れないのがお金のこと。 いつもお金のことを気にしているようでは、安心できる老後を送ることなど夢のまた夢。 では、どうすればお金の不安を解消し、安心を手に入れることができるのでしょうか?

私たちの前に立ちはだかる3つの不安

お金の不安を解消し、安心を手に入れるために私たちがまずしなければならないこと。それは不安の原因を明らかにすることです。多くの人が、「老後のお金は年金だけでは足りない」と感じています。また「自分でお金を準備しなければならない」ことも理解しています。「それならお金をためればいいじゃないか?」と思うかも知れませんが、それほど簡単な話ではありません。あなたにいくつか質問をするので、少し考えてみてください。

  • <質問1>老後を安心して過ごすために必要なお金はいくらぐらいだと思いますか?
  • <質問2>老後のためにお金を増やすとしたら、何をすればよいと思いますか?
  • <質問3>お金を増やすために活用する商品は何でしょうか?

どうですか? ちょっと難しかったかも知れませんね。 ではそれぞれの質問について考えてみましょう。

<質問1>
老後を安心して過ごすために必要なお金はいくらぐらいだと思いますか?

「安心できる老後には3,000万円が必要」といった情報をよく見かけます。「意外と大きな金額だな~」と感じる方が多いと思います。本当でしょうか?同い年の夫婦2人世帯のケースを考えてみます。夫婦が受け取る公的年金(国民年金や厚生年金など公的機関が運営する年金)に、月額10万円上乗せすることにしてみましょう。65歳女性の平均余命が24.31年(2015年簡易生命表)なので、生活費が必要な期間を25年間として計算すると、必要な金額は以下のとおりです。

65歳から90歳まで(25年間):10万円×12か月×25年=3,000万円

公的年金に毎月10万円を上乗せするとしたら、たしかに3,000万円が必要です。3,000万円は少ない金額ではありませんが、安心が得られるのであれば頑張ってみる価値があるのかも知れません。では、3,000万円を準備すれば、本当に安心できるのでしょうか?

この夫婦が75歳になったとします。65歳から75歳までの10年間で、すでに1,200万円(10万円×12か月×10年=1,200万円)のお金を使いました。残っているお金は1,800万円です。これから先のことを考えると少し心配になるかも知れません。たくわえはあと15年分しかありません。このまま二人とも元気に過ごせば、15年などあっという間です。だんだんお金を使うことが怖くなってきます。お金のことを心配せずに済むようにお金をためたのに、最終的にお金を使えなくなってしまうのです。

砂漠で遭難して亡くなった人の水筒には水が残っている、という話を聞いたことがあります。最後の一滴を飲み干した後のことが心配なので、苦しいけど飲めないのです。お金についても同じことがいえます。お金を預けてもほとんど増えません。使ってしまうとその分目減りします。だからお金を使えなくなります。使うとお金は減ってしまう、いつまで生きるかわからない、だからいくらお金を準備したとしても不安はなくなりません。

日本人の平均寿命は延びています。2015年の簡易生命表によると、男性の平均寿命は80.79歳、女性の平均寿命は87.05歳です。真剣に100歳まで生きることを想定してお金の準備をしなければならない時代になりました。長生きすればするだけ、必要となるお金も多くなります。そう考えると、こんな不安が浮かび上がります。

「いくらお金をためても安心できない」

これが【不安の原因その1】です。金利が高い時代ならお金は自然に増えてくれました。低金利の時代ではそういうわけにはいきません。不安を解消するためには、新しい発想が必要です。

<質問2>
老後のためにお金を増やすとしたら、何をすればよいと思いますか?

コツコツと積み立てをしても、なかなかお金は増えてくれません。あきらめるのは簡単ですが、何かできることはないでしょうか?利率の違いはわずかでも長い時間をかけることによって大きな差になります。ここで利率の違いによってどのくらい差が出るのかを確認してみます。下の表は毎年10万円を30年間積み立てたときの30年後の金額です(年複利で計算)。

年利 金額
0.1% 3,043,900円
1.0% 3,478,500円
3.0% 4,757,500円
5.0% 6,643,900円

年利が0.1%と5.0%の場合を比べると、1年では4.9%(5.0%-0.1%=4.9%)しか違いません。金額にすると4,900円の差です。ところが30年後は3,600,000円もの差になります。これが複利の効果と呼ばれるものです。

「値上がりしそうな株や投資信託を買う」「新興国に投資をする」「ドルやユーロなどの外国通貨で儲ける」「不動産に投資をしてみる」といったことが思い浮かぶと思います。では、このような方法には効果があるのでしょうか?

もちろん一定の効果はあります。大切なことは、その効果がどのくらい長く続くのかということです。私たちが求めているのは、老後の安心です。その安心を手に入れるために必要なことは、20年、30年といった長い期間ずっと続く効果です。1年で20%値上がりしても、次の年に25%値下がりするような方法では意味がありません。買った資産がある程度値上がりしたら売って、また値上がりしそうな資産を買えばいいと思うかも知れませんが、サーフィンみたいにはうまくいきません。投資のプロでも先行きのことはわからないのですから。

少し前にBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)への投資が人気になりましたが、いまでは見る影もありません。その前にはインターネット企業に注目が集まり、株価が上昇するというITバブルがありました。けれどもいまでは一部の例外を除いてすっかり落ち着いてしまいました。一時的な流行を追いかけているだけはうまくいかないという証拠です。

「お金を増やす方法がわからない」

これが【不安の原因その2】です。そもそもお金はなぜ増えるのでしょうか?その理由がわからなければ、この不安は解消できません。表面的な答えを求めたり、いま流行しているものを追いかけたりするのではなく、お金が増えるしくみを理解し、そのしくみを活用することが必要です。

<質問3>
お金を増やすために活用する商品は何でしょうか?

これまでの質問で不安の原因が2つ明らかになりました。「いくらお金をためても安心できない」「お金を増やす方法がわからない」という原因です。この2つの原因が解消されたと想像してみましょう。老後に必要な金額を知り、お金を増やす方法もわかったとします。これであなたは安心できますか?

たぶん安心はできないでしょう。まだ何も実行していないからです。旅行の行く先は決まった、その場所に行くための方法(車、電車、飛行機など)もわかった、でも具体的なスケジュールは何も決まっていないという状態です。気持ちは旅先に飛んで行っているかも知れませんが、何も手続きをしなければ目的地に近づくことはできません。旅行をしたいのであれば、切符を買う、ホテルを予約するという行動が必要です。お金を増やしたいなら、具体的な商品を選んで買わなければなりません。

お金を増やすための商品を選ぶにあたって、あなたは何から始めますか?インターネットで調べてみると、情報量に圧倒されます。世の中には無数の金融商品があります。日本の株式市場に上場している会社は約3,500社です。日本で購入できる投資信託は約6,000種類にものぼります(2016年10月末 一般社団法人投資信託協会)。この中から自分にあった商品をどうやって選べばよいのでしょうか?

「どのような商品を選べばよいかわからない」

これが【不安の原因その3】です。私たちが食べものや着るものを選ぶときは、ここまで悩むことはありません。食べものは食べてみれば味がわかります。着るものは試着してみれば自分に合うか合わないかがわかります。しかし金融商品は目に見えないものなので、すぐに判断がつきません。食べるものや着るもののように感覚的に判断できないので、商品を選択する基準は自分で学ぶ必要があります。不安の原因は、商品の選び方を知らないことです。商品の選択基準を身に着けることができれば、商品選びにも自信を持つことができます。

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