個人年金保険

個人年金保険の種類やメリット・デメリット

公的年金だけでは不足してしまうかもしれない老後の生活への上乗せ保障として加入する個人年金保険ですが、その種類は多岐にわたり「どれを選んでよいのかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

将来の資産形成という目的は同じですが、商品の種類ごとにそれぞれの特徴があり、異なるリスクも存在しています。
個人年金の基本的な特徴や種類、それぞれのメリットやデメリットなどを詳しくご紹介していきますので、ぜひ検討する際の参考にしてみてください。

■もくじ(ページ内リンク)

個人年金保険の基本的な役割

「有期年金」・「確定年金」と「終身年金」

まとめ

個人年金保険の基本的な役割

個人年金保険は、民間の保険会社から販売されている私的年金で、ご自身が指定した年齢から受け取ることができるしくみの貯蓄型保険です。内容自体は養老保険とほぼ同じようなしくみですが、一般的な年金保険には死亡保障がありません。
公的年金の補填や受給開始までのつなぎとしての利用目的以外にも、大きな支出に備えた貯蓄がわりに活用されることもあります。
数ある商品の中から決める際に選択しなければならない大きな特徴としては、以下のような種類が用意されています。

受給期間 有期年金または確定年金または終身年金
受給額 定額年金または変額年金
運用される通貨 円建てまたは外貨建て(米ドル・豪ドル・ユーロなど)

運用する通貨には、積み立てている期間の運用益を重視したい方のための外貨建ての商品もありますが、金融商品と同様の元本割れリスクや為替リスクを理解しておかなければいけません。

【個人年金保険料税制適格特約とは】

各保険会社の取り扱う個人年金保険に加入していると、年末調整や確定申告の際には一般的な医療保険などと同様に所得控除を受けることができます。この特約を付帯することで通常の保険料控除ではなく個人年金保険料控除として、所得税や住民税などの負担を軽減してもらえるお得な制度です。
ただし、この特約を付帯するためには、以下の条件を満たす必要があります。

■年金の受取人が契約者もしくは配偶者のいずれかであること
■年金の受取人が被保険者と同一であること
■保険料の払込期間が10年以上であること(一時払いは対象外)
■年金の種類が「確定年金」や「有期年金」の場合には、年金受給開始が60歳以降かつ受取期間が10年以上であること

もし条件を満たしていない場合であっても、一般生命保険料控除の枠内であれば適用を受けることができます。
節税しながら貯蓄できるお得な特約ですが、デメリットとして
①受取人や契約内容の変更はできない
②特約のみを解約することができない
③配当金は引き出せず積み立てられる
といった制限を受けることもありますので、加入前にしっかりと確認しておきましょう。

「有期年金」・「確定年金」と「終身年金」

有期年金とは、年金の受取期間が定められており、その期間中に生存する限り年金を受け取ることができるしくみです。ただしデメリットとして受取開始後から早期に亡くなってしまうと、それ以降の支給は打ち切られてしまいますので、遺族へ残すことはできません。

確定年金でも、ご自身で一定の年金受取期間を選択して加入します。受取期間を長くするごとに保険料が上がることもあり、一般的に個人年金保険料控除の適用要件を満たす10年で加入する人が多くいらっしゃいます。また有期年金と異なる特徴としては、万一年金受給期間に亡くなってしまっても残りは遺族へと支払われ、保険料が無駄にならず遺族の保障も残すことができます。
注意点としては設定した期間が終わると年金が支払われなくなってしまいますので、その後の長生きリスクには対応していません。

終身年金は、生存している間は一生涯にわたって年金が受け取れるしくみです。長生きしてもずっと年金を受け取ることができるのはメリットとなりますが、その分確定年金と比べると保険料は割高です。
万一受給開始から早くに亡くなってしまうとその時点で支給は打ち切られ、払い込んだ保険料よりも受け取る金額は少なくなる可能性があるのはデメリットと言えそうです。

「保障期間付」とは

通常の有期年金や終身年金では、被保険者が亡くなってしまった時点で年金の支給は打ち切られてしまいます。一方で「保障期間付有期年金」や「保障期間付終身年金」では、保障期間内に死亡した場合でも保障期間のうち残りの期間については遺族に年金が支給されるしくみとなっているのです。

例えば5年間の保障期間が定められており、受給開始してから1年経過後に亡くなってしまっても、残りの4年間は引き続き遺族が年金を受け取ることができます。ですが5年経過後に亡くなった場合には保障期間を過ぎてしまっていますので、そのまま打ち切られて終了します。

「定額年金」と「変額年金」

定額年金は、将来受け取れる年金額が定まっているしくみで、予定利率は保険会社で保障されていますのでリスクを負うことなく安定して積み立てることができます。

変額年金は、株式や債券を中心に資産運用し、その運用実績によって受け取れる年金額や解約返戻金が増減します。払い込んだ保険料よりも、より多く受け取れる可能性もありますが、投資リスクがあり年金額も不確定なのは許容を必要とするデメリットでしょう。

「定額型」「変額型」それぞれのメリット・デメリットは個人年金保険のメリット・デメリットのページでご確認いただけます。

選ぶ際のポイント

では次に、個人年金保険に加入することのメリットやデメリットや商品の特徴をふまえた上で、どのような備え方がご自身に合っているのか、また選ぶポイントなどについて考えていきます。

【メリット】

■目標とする老後資金を確実に貯められる
■運用しながら資産形成できる
■所得控除が受けられるため節税効果がある
■死亡保障がないので健康告知がない

【デメリット】

■お金が拘束されてしまい流動性がない
■途中で解約してしまうと解約返戻金が少ない場合がある
■商品によっては投資リスクや為替リスクを伴う

ご夫婦 単身 生存保障 生存+遺族保障
有期年金  ○ 一定期間
確定年金 一定期間
終身年金  ○ 一生涯
(保証期間付)

確実に貯蓄をするためには、ある程度の半強制力もあり節税効果のある個人年金保険は合理的で貯めやすい方法です。主に生存している期間の保障がメインですので、健康告知をする必要がなく持病があっても加入できる商品がほとんどなのも活用しやすい理由の1つです。中には死亡保障のついた個人年金保険もありますが、その場合には医療保険や死亡保険と同様に告知や審査が行われます。

加入するときに考慮するべき点としては、以下をチェックしてみましょう。
①無理なく払込満了まで継続していける保険料であるか
②必要な時期に受給開始され、受取期間も要望に合っているか
③所得のある方は「個人年金保険料税制適格特約」に適用しているか
④遺族への保障の有無は要望に沿っているか
⑤運用によるリスクとリターンは許容範囲かどうか

毎月コツコツと堅実に貯めたい方は、円建ての確定年金や終身年金を活用し、リスクの少ない定額型を選択すると、節税効果を受けながら不安も少なく貯蓄することができます。
ある程度の資産があり、運用を兼ねた商品を探している方であれば、外貨建てや変額保険なども検討してみるのも良いかもしれません。
ご自身の状況に合わせた商品探しの参考にしてみてください。

ご自身の年齢で個人年金保険の保険料を試算されたい方は生命保険比較サイト「i保険」個人年金保険ページをご覧ください。

まとめ

老後資金を形成するための有効な方法ですが、個人年金保険だけで準備をするのは難しいと思われます。
1つの方法として、その他の方法と併用しながらうまく活用してみてください。
また金融商品であることを理解し、しくみがわからない状態で安易に加入しないように注意しましょう。

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この記事を書いた人

奥寺 佳彦

株式会社アイ・エフ・クリエイト

日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー(AFP)