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帝王切開による出産費用は高額になる?

ご自身が自然分娩を望んでいる場合でも、医師により妊娠中や出産の状態によっては自然分娩が難しいと判断されたときには、帝王切開となってしまう可能性もあります。
手術となりお腹にメスを入れて赤ちゃんを取り出すことで、通常よりも入院が数日長くなったり、医療費がかさんでしまったりすることを考えると、どのぐらいの自己負担額がかかるのかというのは気になるところです。
帝王切開による出産費用の平均額や、利用できる公的制度などから、必要となる自己負担額を考えていきましょう。

帝王切開にかかる費用の平均額は?

帝王切開の手術自体の費用は健康保険が適用され、地域や医療機関に関わらず22万2,000円(32週未満の早産の場合は24万2,000円) と一定額で、そのうちの3割が自己負担額となります。 そこに自己診療となる差額ベッド代や食事代、あるいは分娩介助や新生児の保育・検査費用などがかかり、医療機関によって異なりますがおよそ40万円から100万円の費用が発生します。 自然分娩であれば平均42万円程度で収まることを考えると、帝王切開では入院日数が長くなるなどの理由からも費用は高額になってしまいます。

〈帝王切開となってしまうケース〉

予定帝王切開
  • ・逆子
  • ・巨大児
  • ・双子や三つ子などの多胎妊娠
  • ・前回も帝王切開だったとき
  • ・母体の合併症
  • ・母体の感染症
  • ・前置胎盤
  • ・高齢出産
  • ・・・など
緊急帝王切開
  • ・子宮内感染
  • ・子宮が破裂する恐れがある
  • ・時間がかかりすぎる出産
  • ・未熟児
  • ・胎児の状態が悪い
  • ・常位胎盤早期剥離
  • ・回旋異常
  • ・・・など

出産で利用できる公的制度

費用がかさみ高額になりやすい帝王切開出産ですが、さまざまな制度やもらえる手当も準備されていますので、うまく活用することで自己負担する費用を抑えることができます。 ここでは万一の際に役立つ公的な補助制度をご紹介しますので、しっかりと活用できるように整理してみましょう。

出産育児一時金

出産をすると、ご自身が加入している健康保険から「出産育児一時金」が支給されます。ご主人の扶養に入っている場合にはそちらから支給され、会社の健康保険または国民健康保険のどちらでも対象となります。 その他の支給条件は以下の通りです。

  • ①健康保険の被保険者または被扶養者である
  • ②妊娠4ヵ月(85日)以上で出産したこと
    該当すれば、早産・死産・流産・人工妊娠中絶(経済的理由も含む)であっても支給されます。

金額は1児につき42万円ですが、産科医療補償制度に加入していない医療機関で出産した場合には39万円が支給されます。
また、支給方法として直接支払制度受取代理制度に対応している医療機関であれば、直接医療機関へ支払われますので、実際の出産費用から出産育児一時金を差し引いた金額を自己負担として支払います。
一旦ご自身でまとまった費用を立て替える必要もなく、出産でバタバタとしている時に大金を持ち歩かなくても良いのは助かりますね。

高額療養費制度

帝王切開には健康保険が適用されるため、高額療養費制度を利用することができます。  高額療養費制度とは、1ヵ月の間に支払った医療費が一定額を超えたとき、その超過分を払い戻してもらえる公的な助成制度です。  自己負担の上限額は収入に応じて異なり、収入が少なくなるほどに自己負担上限額も低額となっていくように設定されていて、それぞれの上限額の計算式は以下となります。

〈70歳未満の高額療養費制度の計算式〉

所得区分 ひと月あたりの
自己負担限度額
多数回該当
(4月目以降)
年収約1.160万円~
健保:標準83万円以上
国保:年間所得901万円超
252.600円+
(医療費-842.000)×1%
140.100円
年収約770~約1.160万円
健保:標準53万円~79万円
国保:年間所得600万~901万円
167.400円+
(医療費-558.000円×1%
93.000円
年収約370~約770万円
健保:標準28万円~50万円
国保:年間所得210万~600万円
80.100円+
(医療費-267.000円)×1%
44.400円
~年収約370万円
健保:標準26万円以下
国保:年間所得210万円以下
57.600円 44.400円
住民税非課税者 35.400円 24.600円

帝王切開になると前もってわかっている場合には、事前に「限度額認定申請書」を取り寄せることで、病院の窓口で支払う金額が上限額で済みます。
ただし健康保険が適用されない、差額ベッド代や食事代などは別途自己負担となりますのでご注意ください。

出産手当金

出産手当金とは、会社に勤めていて産休を取って出産する方が利用できる制度です。 会社の健康保険に加入している方が出産のために産休を取り、引き続き健康保険料を支払っている場合、その間に給与の支払いを受けなかった場合に手当が支給されます。 出産の日(実際の出産が予定日後だった場合には出産予定日が基準日になる)以前の42日から、出産翌日以後56日目までが支給対象の範囲になり、多胎妊娠の場合には出産日前は98日まで拡大されます。

支給される額は以下の計算式に当てはめて算出されます。

支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3×対象日数

また、退職などで資格喪失したときには、資格喪失日の前日に出産手当金を受けているまたは受けられる状態であり、被保険者期間が継続して1年以上ある場合には、所定の期間の範囲内で引き続き支給を受けることが可能です。

医療費控除

こちらは直接出産に対して手当が支給されるわけではありませんが、自分と家族が1年間に支払った自己負担の医療費が10万円を超えていた場合に、医療費控除を受けることができる制度です。
所得税の計算に用いられる課税所得が控除されることにより減り、結果的に所得税額が減るしくみになっているのです。申告の際には領収書が必要になりますので、忘れずにとっておきましょう。
帝王切開により高額な医療費用がかかってしまい1年間の医療費が10万円を超えるときには、ぜひ活用したい節税対策ですね。

乳幼児医療費助成制度

万一胎児の状態が悪く、緊急帝王切開となってしまった場合などに、出産後も赤ちゃんがNICU(新生児特定集中治療室)に入ることも起こるかもしれません。
そういった場合には、早めに被扶養者として手続きをすることで、医療費を軽減することができます。
また、もしも未熟児だったときなどには、入院および治療を受ける際に必要となる医療費を負担してくれる「未熟児養育医療制度」を利用することもできます。

まとめ

公的な医療保険制度では、出産に関する助成も充実していますので、帝王切開になったからといって負担が高額になることはなさそうです。
併せて任意での医療保険に加入していればそちらからも給付金が支払われ、黒字になることも十分に考えられますので、出産予定があり不安のある方は、上手に活用してみても良いかもしれませんね。

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