終身保険

マイナス金利政策が影響大?貯蓄型保険の一斉値上げ

資産づくりとして人気のある、終身保険や学資保険といった貯蓄型の保険ですが、日本銀行のマイナス金利政策による影響で、2017年4月より保険料の値上げや販売の停止が一斉に実施されました。
保険会社からの発表後には「駆け込み需要」が発生し、慌てて申し込む人の動きも目立ちました。一体どのような背景で起こったのでしょうか。

保険料が値上がりするワケ

マイナス金利とは?

マイナス金利が保険に与える影響

最後に

保険料が値上がりするワケ

生命保険の保険料は、「予定死亡率」「予定利率」「予定事業費率」という3つの要素から成り立っています。保険会社によって保険料は異なっても、基本的な考え方は共通しています。

■予定死亡率・・・将来の保険金などを支払うにあたって、必要な金額を算出するためのものです。過去の統計から予測される年齢や性別ごとの死亡率がまとめられた「生保標準生命表」をもとに計算され、予定死亡率が低ければ保険料は安くなり、予定死亡率が高くなれば保険料も高くなります。(ただし生存時の保障を重視する個人年金保険などは、予定死亡率が低いほど保険料が高くなる)

■予定利率・・・契約者から支払われた保険料は、保険会社が将来支払う保険金のために積み立てている準備金(責任準備金)です。また、積み立てをしているだけではなく、国債などで運用しており、その運用によって見込まれる利益を予定利率といいます。運用によって得た利益は責任準備金や保険会社の収益となります。予定利率が高く設定されれば、その分保険会社の利益が見込まれるため契約者の保険料から割引いて安くなります。

■予定事業費率・・・保険会社が運営上必要とする経費の割合のことで、予定事業費率が高ければ経費がたくさん掛かるため保険料は高くなり、予定事業費率が低くなれば保険料は安くなります。

上記のなかで今回の政策により影響を受けたのが2番目の「予定利率」の部分です。予定利率は金融庁が定めた標準利率をもとに、保険会社の運用予測などをふまえて決められます。
*標準利率とは、責任準備金の計算利率として義務付けている金利のことで、標準利率は経済状況によって変わります。
標準利率が引き下げられることで予定利率も下がり、これまでのような運用利回りが見込めなくなってしまうため、結果的に保険料は上がってしまうのです。
低金利により保険会社の主要な運用である国債の利回りが下落し、予定していた運用益の確保が難しくなってしまうことが、保険料の値上げや販売停止の一番大きな理由となっています。

マイナス金利とは?

2016年に日本銀行のマイナス金利政策導入が行われましたが、このマイナス金利とはどのような政策なのでしょうか。

通常は銀行などの金融機関にお金を預けると利息がつき、少しずつお金が増えていきます。しかしマイナス金利政策ではその利息がマイナスになることにより、逆に預貯金の金額に対して決められた利率の利息を預ける側が支払わなければなりません。

このマイナス金利は日本銀行にお金を預けている各金融機関が対象となりますので、普段私たちが金融機関に預けている預貯金が減ることはありません。
ほとんどの金融機関は日本銀行の当座預金にお金を預けています。その預金に対して金利をマイナスにしているため、日本銀行へお金を預けると金融機関は利息を払わなくてはならないので、損をしてしまいます。
金融機関は住宅ローンや自動車ローンなどの金利を下げて、個人や企業へ積極的に融資を行うことで、各業界が活性化して景気回復につながる効果を生むための施策です。
このように、金利が下がることで消費が活発になるというメリットもある一方で、貯蓄型保険や資産運用にとっては大きな痛手となってしまうのが、マイナス金利の特徴となっています。

マイナス金利が保険に与える影響

前述しているように保険会社は、責任準備金の積み立てをするために保険料計算上の予定利率を設定します。この予定利率が低く設定されてしまうと、契約者から支払われる保険料に対して多くの責任準備金を確保しなければいけませんので、結果的に保険会社への負担が増加してしまうのです。
マイナス金利政策で保険会社の運用が悪化し、予定していた利回りの達成が難しくなることから、貯蓄型の保険商品に関して保険料の引き上げや新規募集を行わないなどの対策が行われています。
貯蓄性が高い商品や保険期間が長い商品ほど、このマイナス金利政策の影響を受けやすくなり、保険料の値上がりが大きくなってしまいます。主に、学資保険や個人年金の他に終身保険などが影響を受けています。

最後に

すでに契約をされている方はご自身の保険に影響が無いかどうか、心配ですよね。
マイナス金利の影響ですでに加入している保険の保険料が上がることは無く、返戻率も変わりません。契約時のままで満期まで継続します。また、契約時に保険金の受取額が決められている保険も、マイナス金利の影響で受け取り金額が変わることはありません。
利率変動型の変額保険の場合は経済的な影響を受けるので、将来の受取額は変動します。死亡保険金は最低保障額が設定されていますが、運用実績によっては満期保険金や解約返戻金の最低保障が無いため、元本割れのリスクがあります。
また、外貨建ての保険商品はマイナス金利の影響を受けませんので、外貨建て保険を検討するのもよろしいかと思います。ただし、換金する際にその時の為替の影響を受けることになるので、必ずしも損をしないとは言えません。国内外の保険へ加入するとリスクを分散することもできますので、外貨建ての保険を検討するのもひとつの方法ですね。

保険をご検討の方は生命保険比較サイト「i保険」をご覧ください。

また、個人年金保険は現在販売が消極的になってしまっていますが、利回りを下げることで販売を続行している保険会社もあります。「利率が悪いときに加入するのはもったいない」という意見を目にすることはありますが、貯蓄をすることが苦手な方には、保険に加入することで強制的に老後の備えができるのでメリットを感じる方も多いのではないでしょうか。
ご自身が納得する保険に加入することが最も大切です。ファイナンシャルプランナーに相談することで、さまざまな角度からアドバイスを受けることができますので、一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。

『保険のプロ』による生命保険無料相談のご案内ページでは無料相談の申込みをすることができます。ご興味をお持ちの方はぜひご検討ください。

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この記事を書いた人

奥寺 佳彦

株式会社アイ・エフ・クリエイト

日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー(AFP)