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がんは本当になりやすい?数字で見るがんのリスク

がんは、あらゆる病気のなかで最も死亡率の高い病気であり、日本人の死因の第1位を占めています。

がんは一部の遺伝性によるものではなく、元々は生活習慣病といわれており、身近にある発がん性物質(タバコ、排気ガス、アスベストなど)だけではなく、食生活や運動不足でも起こりうる病気であるため「うちはがん家系ではないから大丈夫」と思っている方であっても、発症するリスクは十分にあります。

年齢によってもがんになる確率は異なり、性別によるがんになりやすい部位もそれぞれです。
そういった違いをふまえながら、本当にがんになりやすいのかといった統計による罹患数や死亡率を確認しましょう。

がんの罹患数(りかんすう)とは・・・人口に対して新たにがんと診断された患者数

がんになる確率と原因

男性ががんになる確率は62%で、女性ではがんになる確率は47%となっており、日本人の2人のうち1人は一生涯のうちに何かしらのがんにかかっている計算になります。これは夫婦のうち、どちらかはがんにかかる可能性があるわけです。

国立がん研究センターの統計によると、2014年に全国で新たにがんと診断された例は、867,408例にものぼります。
そのうち男性では501,527例、女性では365,881例となっていて、男性の発症する割合が圧倒的に多数となっています。
下の表は、男女別でのがん発症の多い部位をランキングにしたものです。

【2014年の罹患数が多い部位データ】

  男性 女性 男女計
1位 乳房 大腸
2位 大腸
3位 大腸
4位 前立腺 乳房
5位 肝臓 子宮 前立腺

性別による発症しやすい部位は異なり、男性での第4位の前立腺がんや、女性での第1位の乳がん・第5位の子宮がんといった、特有である疾病も見られます。

次に、「がんに罹患する確率」を見ていきましょう。
 全年齢による、一生涯のうちにかかる確率と、その確率が何人に1人の割合となっているのかを、がんの部位別で把握することができます。

〈全年齢にみる罹患リスク〉2014年データ

部位 生涯がん罹患リスク(%) 何人に1人か
  男性 女性 男性 女性
全がん 62% 47% 2人 2人
食道 2% 0.5% 44人 218人
11% 5% 9人 19人
結腸 6% 5% 17人 18人
直腸 4% 2% 28人 48人
大腸 9% 8% 11人 13人
肝臓 3% 2% 29人 55人
胆のう・胆管 2% 2% 63人 64人
膵臓 2% 2% 42人 42人
10% 5% 10人 22人
乳房(女性)   9%   11人
子宮   3%   33人
子宮頚部   1%   78人
子宮体部   2%   61人
卵巣   1%   82人
前立腺 9%   11人  
悪性リンパ腫 2% 2% 50人 58人
白血病 0.9% 0.7% 106人 150人

出典:国立がん研究センターがん情報サービス『最新がん統計』

そして、年齢別による罹患リスクでは、現在の年齢からこの先の一定の年齢までに、がんになる確率はどのくらいかを知ることができるデータになっており、そこからリスクの高まる年代を読み取ることもできます。

〈年齢別・男性〉

現在の年齢 10年後 20年後 30年後 40年後 50年後 60年後 70年後 80年後 生涯
0歳 0.1% 0.3% 0.5% 1% 2% 7% 21% 41% 62%
10歳 0.1% 0.4% 0.9% 2% 7% 20% 41%   62%
20歳 0.2% 0.8% 2% 7% 20% 41%     62%
30歳 0.6% 2% 7% 20% 41%       62%
40歳 1% 7% 20% 41%         63%
50歳 5% 19% 40%           63%
60歳 15% 38%             63%
70歳 29%               60%
80歳                 53%

〈年齢別・女性〉

現在の年齢 10年後 20年後 30年後 40年後 50年後 60年後 70年後 80年後 生涯
0歳 0.1% 0.2% 0.6% 2% 5% 11% 18% 29% 47%
10歳 0.1% 0.5% 2% 5% 11% 18% 29%   47%
20歳 0.3% 2% 5% 10% 18% 29%     47%
30歳 1% 5% 10% 18% 29%       47%
40歳 3% 9% 17% 28%         46%
50歳 6% 14% 25%           44%
60歳 9% 21%             41%
70歳 14%               36%
80歳                 28%

上の表を見てみると、男性では70代以降の確率が2桁に上がっていて割合が増えており、女性では60代から2桁台に上がるなど、若いうちのがん罹患率は低く、高齢になるにつれて罹患率も上がっていますね。
がんは生活習慣病でもあるため、感染による発症だけではなく、日常的な不摂生の積み重ねから長期間かけてがんに罹ることも多くあります。
がんになりやすいケースとしては、以下のようなことが挙げられます。

  • 喫煙する習慣のある方
  • アルコールやコーヒーの摂取量が多い方
  • 高脂肪・高タンパク質など食事が偏りがちな方
  • 肥満・高血圧な方
  • ストレスの多い環境の方
  • 特定のウイルスに感染している方  ・・・など

そして長く生きればそれだけの健康リスクが伴い、歳とともにがんになる可能性も高くなってしまうようです。

それ以外にも、肝炎ウイルスによる肝臓がんや、ピロリ菌による胃がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸がんなど、ウイルスや細菌の感染によってもがんを引き起こすこともあります。

全体で見ると若いうちには罹患率も低く、たった数%の数字でしかないがんですが、決して特別な病気などではなく、誰にでも発症する可能性があるのです。

がんによる死亡率

次に、がんにより死亡するリスクがどのくらいあるのかを見ていきたいと思います。
統計による数値では、男性のがんによる死亡率は25%となっていて、女性のがんによる死亡率は16%となっています。

日本人の死因となる疾病ランキングを見ても、がんによる死亡数は圧倒的に多く、いかに発症しやすく、治療が難しい大病なのかが確認できます。

  死因 死亡数 死亡総数に占める割合
1位 悪性新生物 373,334人 27.9%
2位 心疾患 204,837人 15.3%
3位 脳血管疾患 109,880人 8.2%
4位 老衰 101,396人 7.6%
5位 肺炎 96,841人 7.2%

※出典:厚生労働省『平成29年 人口動態統計』

罹患と同じく、死亡原因となりやすい部位もまた男女により異なります。

下の表は全年齢による統計ですが、性別によって多少順番が入れ替わり、女性では第5位に女性特有の疾病と言われている、乳がんが入っています。

ちなみにこの他にも、男性では70歳代を超えると、消化器系のがんは減り、肺がんと前立腺がんの割合が大きく増えていきます。
また女性では、40歳代に乳がんや子宮がん・卵巣がんでの死亡率が高く占めていますが、高齢になるごとに減少し、消化器系や肺がんが増えていく傾向があるようです。

【2016年の死亡率が多い部位データ】

  男性 女性 男女計
1位 大腸
2位 大腸
3位 大腸 膵臓
4位 肝臓 膵臓
5位 膵臓 乳房 肝臓

※出典:国立がん研究センターがん情報サービス『最新がん統計』

先ほどの罹患データでの肺がんは第3位だったのに対し、死亡率では大腸がんや胃がんを飛び越えて第1位となっています。
肺がんは早期には自覚症状がほとんどなく、あっても咳や痰などの風邪の症状と似ていることから、本人が気づかず受診しないまま、健診で見つかるケースが多く、発見が遅くなるほど死亡率が高くなるため、上位を占める結果となっています。
肺がんには喫煙も深く関係していることから、禁煙するなどの自助努力も必要であり、早期の治療によって治すことも可能なため、少しでも異変を感じたら、受診することが大切です。

続いて全年齢での一生涯のうちにがんで死亡する確率と、その確率が何人に1人の割合となっているのかが纏められたデータを見ていきます。

がんになる割合が2人に1人だったのに対し、男性では死亡する割合が4人に1人となっており、女性では6人に1人の割合という死亡リスクになっています。
現代では早期発見による治療での完治が可能になっているとはいえ、やはり高い数字となっています。

〈全年齢にみる死亡リスク〉2016年データ

部位 生涯がん死亡リスク(%) 何人に1人か
  男性 女性 男性 女性
全がん 25% 16% 4人 6人
食道 1% 0.2% 93人 501人
3% 2% 30人 65人
結腸 2% 2% 52人 59人
直腸 1% 0.6% 90人 173人
大腸 3% 2% 33人 44人
肝臓 2% 1% 47人 99人
胆のう・胆管 1% 0.9% 98人 115人
膵臓 2% 2% 52人 60人
6% 2% 17人 46人
乳房(女性)   2%   67人
子宮   0.7%   147人
子宮頚部   0.3%   339人
子宮体部   0.3%   390人
卵巣   0.5%   195人
前立腺 1%   74人  
悪性リンパ腫 0.8% 0.6% 126人 181人
白血病 0.6% 0.4% 161人 278人

〈年齢別・男性〉

現在の年齢 10年後 20年後 30年後 40年後 50年後 60年後 70年後 80年後 生涯
0歳 0.0% 0.0% 0.1% 0.2% 0.5% 2% 6% 15% 25%
10歳 0.0% 0.1% 0.2% 0.5% 2% 6% 15%   25%
20歳 0.0% 0.1% 0.5% 2% 6% 15%     25%
30歳 0.1% 0.4% 2% 6% 15%       25%
40歳 0.3% 2% 6% 15%         25%
50歳 1% 6% 15%           25%
60歳 5% 14%             25%
70歳 10%               22%
80歳                 16%

〈年齢別・女性〉

現在の年齢 10年後 20年後 30年後 40年後 50年後 60年後 70年後 80年後 生涯
0歳 0.0% 0.0% 0.1% 0.2% 0.7% 2% 4% 8% 16%
10歳 0.0% 0.1% 0.2% 0.7% 2% 4% 8%   16%
20歳 0.0% 0.2% 0.6% 2% 4% 8%     16%
30歳 0.2% 0.6% 2% 4% 8%       16%
40歳 0.5% 2% 4% 8%         15%
50歳 1% 4% 8%           15%
60歳 2% 7%             14%
70歳 5%               12%
80歳                 9%

出典:国立がん研究センターがん情報サービス『最新がん統計』

罹患率では上位にあった前立腺がんや子宮がんは、死亡率のデータでは確率が低いことが分かりますが、どちらも肺がんと同じように、初期にはほとんど自覚症状はないがんです。
このように「生存率」の高いがんも存在していて、先述の前立腺がんや子宮がんの他にも、皮膚がんや甲状腺がんなどでも、治療により高い確率で完治するがんも存在します。

まとめ

死亡原因の第1位であると聞くと、怖く悲しいイメージの病気ですが、がんは普段の生活習慣で予防できる生活習慣病であるため、ご自身でリスクを減らすことは可能です。

喫煙をする方であれば、ご自身やご家族のために禁煙に努めたり、運動不足を解消するために適度に身体を動かしたりするよう心がければ、同時にストレス解消にもつながり、効率的にがんに対するリスクを減らしていけます。がんに罹ってしまう前に、ぜひ改善に努めましょう。

 

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