生命保険を申し込んだ後にキャンセルできる?
「クーリング・オフ制度」について
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「生命保険に申し込んだけれど、やっぱりキャンセルしたい…」
そんなときに頼れるのが「クーリング・オフ制度」です。
名前だけは聞いたことがあるという方も多いかもしれませんが、実は生命保険にもクーリング・オフ制度は適用されます。クーリング・オフ制度を利用すると、申し込み後であっても、一定の期間内であれば無条件で契約を解除できます。
この記事では、生命保険におけるクーリング・オフ制度の内容や利用方法を、わかりやすく解説します。
クーリング・オフ制度とは?
「クーリング・オフ制度」とは、押し売りやキャッチセールスなどから消費者を保護するための制度です。
「セールスマンから話を聞いて契約してしまったが、冷静に考えたらやはり必要なかった」などという場合に利用できます。
しかしながら、すべての契約に対してクーリング・オフ制度が利用できるわけではありません。
申込者が自身の意思で申し込んだと判断される契約は、クーリング・オフ制度の対象外となってしまいます。
クーリング・オフ制度の対象外となる場合
クーリング・オフ制度の対象外となるのは、主に以下の場合です。
クーリング・オフ制度の利用を検討している方は、ご自身の契約が下記に当てはまらないかどうか、まずはご確認ください。
- 保険契約を前提として保険会社や代理店の窓口に予約訪問し、申し込んだ契約
- 申込者が指定した場所で契約を行った
(ただし、自宅や保険会社・代理店の営業所は除く) - 申し込みから一定期間が過ぎてしまっている
- インターネットなどの通信販売で申し込んだ
(ただし、保険会社によって取り扱いが異なる場合も) - 保険会社指定の医師による診査を受けた
- 営業、事業のために契約した場合や法人等が契約した
- 保険期間が1年以内の保険
- 自賠責保険などの強制保険
保険契約の成立前なら口頭で取消しも可能
生命保険の申込みをした後に「キャンセルしたい」と思ったとき、まずクーリング・オフ制度の利用を考える方も多いでしょう。申込みをしてから1日、2日しか経っていない場合も多いと思います。
そういったときは、保険契約が成立する前であれば口頭で契約を取消しできるケースがあります。
保険契約は、保険会社や契約方法によって異なりますが、契約書や告知書などにより、審査(査定)をする時間が必要になります。審査期間も保険会社や内容によって違いはありますが、数日~3週間ほどかかることもあります。
審査期間中は契約が成立していないので、その間であれば電話などの口頭で申し込みを取り消せる場合があるのです。
申し込みを取り消したいときは、なるべく早めに保険会社へ連絡し、口頭での取り消しやクーリング・オフ制度を利用できるか確認してみましょう。
クーリング・オフ制度の利用方法
クーリング・オフ制度の利用方法について詳しく解説していきます。
クーリング・オフの手続き
保険会社宛てにクーリング・オフしたい旨が記載された書面を郵送し、申し込みの撤回を行います。
クーリング・オフの手続きは書面または電磁的記録(保険会社のホームページ、マイページ、電子メール等)で行う必要があり、口頭や電話では無効となります。
書面に記載する内容は保険会社によって異なりますが、主に以下の1~8が必要になります。
- 届出日(クーリング・オフの書面を記入した日)
- 契約者や住所・氏名・生年月日・電話番号
- 被保険者の氏名・証券番号
- 保険撤回をしたい旨の記入
- 撤回を希望する理由
- 保険の契約日
- 保険種類
- 保険料
書面はハガキや手紙で作成します。
送付する内容は、念のため両面コピーを取っておきましょう。
また、保険会社へ書面を送付する際は、特定記録郵便もしくは簡易書留、または内容証明郵便で送付してください。コピーと郵便局の窓口で渡される特定記録郵便や簡易書留受領証は、クーリング・オフを行った証拠になりますので、必ず保管しておきましょう。
保険料をクレジットカードで支払っている場合は、クレジットカード会社への通知も必要です。同じ内容の書面をクレジットカード会社にも郵送してください。
クーリング・オフできる期間
クーリング・オフができる期間は、保険の申し込みを行った日、またはクーリング・オフに関する書面を受け取った日、いずれか遅い日から、基本的に8日以内です。
各保険会社によって異なりますので、必ず各社のクーリングオフ可能期間をご確認ください。
期間内に保険会社(クレジットカード払いの場合はクレジットカード会社にも)へ通知を行いましょう。
クーリング・オフできたら
無事クーリング・オフできたら、保険契約自体がなかったことになりますので、払い込んだ保険料は全て返還されます。
もちろん保障もなくなります。
まとめ
申し込み後であっても、一定期間内であれば消費者の申し出により無条件で申し込みの撤回、または契約の解除が出来る制度が「クーリング・オフ制度」です。
悪質な訪問販売によりトラブルになるケースが多いため、消費者の保護を目的として作られました。
しかし、すべての契約にクーリング・オフ制度が適用されるわけではありません。
保険の契約は人生で2番目に高い買い物と例えられることが多いほど、決して安くない買い物です。
その場の空気に流されず、一度時間をおいて、焦らず判断をすることが大切です。