医療保険に三大疾病の保障は必要?
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日本人の死因の上位を占める「がん・心疾患・脳血管疾患」からなる三大疾病。
どれも大きな病気で、治療にかかる日数や治療費もどのくらいかかるのか分からず、不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
医療保険を選ぶ際に三大疾病に関する特約をおすすめされることもあるかと思いますが、保険料が割増になることもあり「本当に必要なの?」と迷ってしまう方も多いでしょう。
三大疾病とはどのような病気なのか、また三大疾病保障によってどのように備えられるのかを解説します。
三大疾病はどんな病気?治療期間や費用は?
三大疾病とは、
- がん(悪性新生物・上皮内新生物)
- 心疾患
- 脳血管疾患
のことを指します。(保険会社や商品によって保障の範囲や条件は異なります。)
これらの病気は他と比べて入院が長期化しやすく、医療費も高額になりやすいのが特徴です。
また、日本人の死因の上位を占め、死亡総数に占める割合もおよそ45.6%となっています。
特にがんは「遺伝する」と言われることもありますが、実際の原因は遺伝だけではなく、ストレスや食生活、運動不足、喫煙などの不摂生による生活習慣病であり、誰でも罹患する可能性があります。
死因順位別死亡数と死亡率
死因 | 死亡数 | 死亡総数に 占める割合 |
|
---|---|---|---|
1位 | 悪性新生物 | 382,492人 | 24.3% |
2位 | 心疾患 | 231,056人 | 14.7% |
3位 | 老衰 | 189,912人 | 12.1% |
4位 | 脳血管疾患 | 104,518人 | 6.6% |
5位 | 肺炎 | 75,749人 | 4.8% |
先述のとおり、三大疾病にかかると多くの場合で高額な医療費が必要になります。
高額療養費制度を利用することで自己負担額はある程度抑えることができますが、差額ベッド代や食事代など、高額療養費制度の対象外となる出費もあります。また、療養中に仕事を休まなければならず、収入が減少するリスクもあります。
統計データからも分かるとおり、三大疾病は決して他人事ではありません。
まずは食事・睡眠・運動といった生活習慣での予防を大切にしながら、罹患してしまった場合の金銭的なリスクを軽減する保険を検討することが大切です。
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三大疾病特約とは?
三大疾病特約とは、「がん(悪性新生物・上皮内新生物)・心疾患・脳血管疾患」により所定の状態になったとき、または死亡・高度障害のときに保険金が受け取れる特約です。
三大疾病特約の保障内容は、保険会社や商品、加入時期によって大きく異なります。
具体的な例を見ていきましょう。
三大疾病の範囲や給付条件
以前は「がん(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳卒中」など、病気の範囲を限定している保険会社がほとんどでした。
ただ最近では「がん(悪性新生物・上皮内新生物)・心疾患・脳血管疾患」など、範囲を広げている保険商品が増えており、以前に比べて保険金を受け取りやすくなっています。
また、給付条件も時代とともに変化しています。
例えば急性心筋梗塞の場合、以前は「保険期間中に急性心筋梗塞を発症し、初めて医師の診察を受けた日から60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断されたとき」などという給付条件でしたが、最近では「1日以上の入院または手術を受けたとき」という、より緩和された条件の保険商品も多く登場しています。
以前販売されていた保険商品はもちろん、現在販売されている保険商品でも、三大疾病の範囲、給付条件は保険会社や商品によって異なります。
三大疾病特約を検討する際は必ず確認しましょう。
三大疾病特約の主な保障内容
三大疾病により所定の状態になったとき、一時金として50万円~200万円を受け取れるケースが多いです。
まとまった一時金を受け取れることで、貯蓄を崩すことなく、治療費だけでなく家族の生活費や付き添いによる交通費、宿泊費、ウィッグ代などの雑費にも充てることができます。
医療保険の主契約である「入院日額×入院日数」で後から受け取れる保険金に加え、まとまった一時金が受け取れる安心感は大きいでしょう。
その他にも、『三大疾病で入院したときに1入院の日数限度が無制限になる特約』や『保険料の払込が免除される特約』もあります。
三大疾病を主契約として備える商品もおすすめ
最近では医療保険の特約ではなく、主契約として三大疾病に備える商品も増えてきています。
三大疾病の一時金を受け取れるタイミングがそれぞれ1年に1回ではなく、180日に1回受け取れる商品も出ており、医療保険+三大疾病保険を組み合わせて準備することもおすすめです。
三大疾病保障は必要?
三大疾病はどれも大病ですが、早期発見による治療で日常生活に戻れることもあれば、障害や麻痺などが残って長期的な治療が必要になるケースもあり、症状は人それぞれです。
前者のように回復することができれば、国の公的保障である健康保険や高額療養費制度を活用することで乗り切れるかもしれません。
しかし、後者のように今後の人生が変わってしまうほどの重い症状になってしまったときには、どうしても金銭面で不足が生じやすくなります。
公的保障があるとはいえ、長期的な治療はやはり医療費やその他雑費が高額になってしまいます。保険は本来、『お金が高額にかかる可能性の高いところ』へ優先的にかけるものです。
各保険会社の三大疾病の範囲や給付条件を確認し、保険料が負担にならない範囲で、三大疾病保障を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
三大疾病は日本人の死因の上位を占め、誰にとっても他人事ではありません。
高額療養費制度などの公的保障だけではカバーしきれない部分もあり、民間の医療保険をうまく組み合わせることが安心につながります。
- 三大疾病は誰でもかかる可能性がある
- 公的保障だけでは費用を十分にまかなえないことがある
- 商品によって保障内容や条件は大きく異なる
こうした点をふまえ、自分に合った保険を比較、検討してみましょう。
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監修者情報
監修者
秋山 保
(CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、1種証券外務員/株式会社アイ・エフ・クリエイト)
「難しいことを、やさしく。やさしいことを、深く。」をモットーに、スタッフ一同、親切・丁寧に分かりやすく
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